震災後の食を考える
震災後の食品の品切れ騒動も徐々に改善されているが東日本では今でも商品によっては品薄な状態が続いている。
中部以西に住む人には実感しにくいが東と西では状況が違う。
あらためて今回の震災による食の問題を考えてみた。
商品の品切れにつながる主な要因としては次の点が考えられる。
① 震災による直接被害で産地、製造工場の出荷停止
② 原料、副原料, 包材などの不足
③ 計画停電によるラインの停止
④ 買い占めなどによる消費者の過剰行動
⑤ 放射線被害による供給不足(風評被害含む)
例えば納豆の場合、東日本には大手メーカー含め製造者が多く、直接被害で生産がストップしたこと、
フィルムなどの資材の不足に加え計画停電で発酵が行えず生産量が大幅に減少するなどひとつの原因ではなく複数の要因が重なっている。
ミネラルウォーターは首都圏の水道水の放射線汚染の懸念が報道され買い占めがおこった。
ペットボトルのキャップメーカーの被災で不足している状況のところに、
水道の放射線問題が重なり需要が大幅に増えて日本国内で当面対応ができなくなった。
海外から規制を緩和し欧州や韓国などからの輸入が激増しているらしい。
首都圏では見慣れないJINROなどの韓国メーカーのミネラルウォーターが売り場に並んでいる。
ミネラルウォーター以外の商品も中部や関西、九州地区からの商品や海外品などの供給が増え
首都圏の量販店の売り場で見られなかった商品もならぶ。
今回のような広範囲での大規模災害に対して国内だけで補完するには無理がある。
自国だけでは相当の生産キャパが必要で通常時供給過多によるデフレが更に進んでしまう。
これまで国民の食糧を確保のために自給率向上が叫ばれてきた。
自給率向上には賛成だが 今後は日本の優れた農家の海外展開なども考えられる。
安定供給にはリスクは内と外の両面で考える必要がありそうだ。