明珠在掌 町家とうふさん
三重県の伊勢市に「河崎」という地区がある。町家や土蔵など歴史的な古い建物が並ぶ室町、江戸時代に栄えた伊勢商人の街だ。
江戸時代、伊勢は山田と呼ばれ大変栄えた都市であった。全国から物資が河崎に運ばれた。
明治以降衰退していくがこの町並みを残そうと頑張っている人たちがいる。
現在、古い町家や土蔵を残し内装だけ改装したバーやカフェ、レストラン、美容室ができてきている。
町家いかした「町家とうふ」の立ち上げからお手伝いさせていただいた。
町家豆腐さんでは古い町家を利用し豆腐をつくる工房とレストランをつくった。ここではおからの出ない大豆まるごとのお豆腐が食べられる。
原料は三重県産のにがり農法で育てた大豆を微細化したパウダーを使い豆腐、豆乳だけでなくスイーツなどいろいろな商品を作っている
消泡材も一切使用しないこだわりで評判が広がり量販店などでも販売依頼が入るようになり、「ぎゅうとら」という地元のスーパーでも販売されている。
戦後 日本は高度成長の進み古い町並みや壊されどんどん新しい建物が建設されていった。山や川も人工的な風景にかわっていった
以前新聞で外国人の東洋文化研究者のコラムを読んだ。
日本は自然や古い町並みは欧米人をひきつける強い力があるのに日本人がどんどん手を加えて魅力のないものにしてしまっているという。
原因としては日本人の文化に対する誇りの欠如と古いものを残してモダンにする技術がなかったことではないかと述べていた。
確かに欧米では古い建物はそのままにしておいて内部を改築して便利で快適に暮らす技術がある
今あるものを再生し活用するという発想はこれまであまり生まれてこなかった。
地震など災害の多い国なので新しく建替え防災耐震対策も行うことも必要である。
治水ために河川工事も必要な場合もあるだろう。
しかしながら身近に良い観光資源があるのに見過ごし不用意に破壊してきたことも事実である。
明珠在掌(みょうじゅたなごころにあり) 禅の言葉で明珠(良い宝)は実は身近な手の中に持っているという意味であるが、
今一度手の中の明珠を見つめなおしてみたい
町家とうふ
住所、地図