地方再生の光
先日 ブログで伊勢の河崎の町家とうふさんのことを書いた。
今週お会いした方が見てくれていてブログの話題がでた。
我々日本人は手の中にある宝物に気づかず壊したり失ったりしていることが多いのではないかということに共感してくれた。
6年前三重県の南勢地区の活性化のために中小企業の仲間が集まって「しお学舎」という製塩の会社を作った。
廃校になった学校の敷地を借りることになった。
折角だからこの古い校舎を残して工房を作ろうという意見でまとまった。
計画をすすめると現在の建築基準を満たすために耐震工事に予想以上にお金がかかることがわかった。
モクモク手作りファームの木村さん吉田さんをはじめ出資者のみんなが古い校舎を残そうと言った。
食品工場のエンジニアリングをしている私の立場からすると建替えた方が使い勝手もよく効率的と答えるところであるが
みんなの考えにとても共感ができた。
建物について地域住民から当初特に要望や制限もなかった。
おそらく多くの住民の人たちは新しい建物をたて製塩工場ができると思ってい人が多いと思う。
古い校舎を残すことで設備の搬入や工事などかなりてこずった。
今この工房では職員室は事務所に使っている。
教室は製塩や味噌その他の商品加工の工房に使っている。塩作りを教える教室もある。
スリッパを履いて校舎にはいると昭和の懐かしい学校の雰囲気がそのまま残っている。
当初この事業をスタートする時、地元住民の方の中には事業に反対する意見も少なからずあった。
後に思い出詰まった校舎を残したことで感謝の言葉を地元の方々からもいただくこともあった。
年月を経て否定的な意見をもっていた方たちからも少しづつ支持されるようになってきたのではないかと思う。
欧州などの古い町並み見ると我々外国人からはにとってもとても魅力的に写る。
パリやニューヨークなど都会でも古い建物を活かし内装をモダンに改造し便利で快適に暮らす技術が発達している。
このような技術がもっと日本でも発展してくれることを願う。
台風や地震の多い日本では「しお学舎」で体験したようにハードルは高いと思う。
効率やコストではもともと新たに製塩工場を設立しても採算が合わなかった。
新技術を導入や差別化した商品を作りを進めることももちろんであるが まわりからも共感していただけるようになってきたことで
プレミアムな付加価値を認めていただけるようになってきた。
しお学舎の役員をやらせていただいているが 多くのことを学んだ。
内需が減っていく中 地域経済を活性化するには外からお客をさんを呼ばなくてはならない
それには魅力的な観光資源が必要である。
80年代までの急速な近代化工業化の発展モデルは完全に方向転換を迫られている。
高齢化が進み工場も閉鎖され新たな宅地の需要も減ってきている。
こんな時期だからこそ足元を見つめなおし古いものを活かす知恵が必要な時代ではないだろうか
明珠在掌 地方にも見つめなおすと魅力的な観光資源が沢山眠っているかもわからない