国産の安全性

2011年11月2日 @ 09:11 PM
minamigawa

農産物の放射線の汚染リスクが危惧されている昨今

残念ながら日本の農産物について安全神話にさらに疑問符がつくようなデータがある。

それが下記の主要国の農薬使用量推移のデータだ。

欧米の主要国から比べると面積当たりの使用量が圧倒的に多い。

90年代は1ヘクタールあたり20kg前後で2000年代に16kg程度まで低下してきているが

米国が2kg以下ドイツが2~3kg程度と比べると7~10倍の使用量となる。

単位面積あたりの使用量の比較でOECDのデータベースより作成され一定の信頼性がありそうだ。

但しこのデータをみて単純に日本が欧米の何倍もの農薬リスクに侵されている判断するのは

早計である。

理由は比較的農薬が少なくて済む穀類を多く生産する国は少なくなるからだ。

作物別に比較する視点がないと合理的ではない。

しかしながら環境負荷などの面からするとやはり問題であると考えられる。

ちなみに大豆を米国と比較すると日本は単位当たり2倍の農薬使用量になる。

これは遺伝子組み換え大豆の栽培が米国では多いからだと想定される。

時々「農薬の少ない遺伝子組み換え作物と農薬を沢山使う非遺伝子組み換え作物とどちらが安全だと思うか?」といった質問をされることがある。

「専門的な知見がないので答えがわからない」と正直に返事するようにしている。

日本の医師など専門家の中に国内の農薬による健康被害について危惧する声もある。

 

原発問題とも合わせて 国産の安全神話は揺らいでいる。

最近海外の展示会や商談などでひしひしと感じている。

自給率の向上や国産の販売促進といった立場にたてば、こういった話はタブーに触れるような情報になる。

しかしながら消費者の立場に立てば事実を正確に知る必要がある。

我々も国産の農水産品の需要拡大のために契約栽培や商品開発などいろいろな産地と手を組んで積極的に取り組んでいる。

長い時間をかけて農業生産者の方々と一緒に無農薬や減農薬、栽培ルールや履歴の作成などにも取り組んできている。

応援したい立場であるからこそあえて厳しいことを言わせていただくと

国産の農産品や加工品も真に消費者から支持されるような製品つくりや取り組みを行う必要があると思う。

すごくまじめに取り組んでいるところもあれ全く違うところもありかなり格差がある。

残念ながらこれも真実で国産=安全とひとくくりに考えるのはかなり怪しい

農業生産も栽培履歴等を開示して安心安全を担保する努力も必要だ

国産農産品の信頼を復活させるためにもこういった現状を把握し

説明できる体制をつくる必要がある。

規制や補助金で一律保護するのではなく、頑張って努力して取り組んでいるところが報われるような

仕組みづくりが重要ではないかと思う


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