にがり農法のお話

2011年12月9日 @ 12:12 AM
minamigawa

前回に続きにがり農法の話

にがり農法の秘密兵器ニガリ散布マシーンを斉藤農場さんが導入したとき いち早く試乗させてもらった。

生育した大豆畑の中を倒さないように進んでいくのは素人の私にはなかなか難しい

ちょっと油断すると大豆を踏み倒してしまう

ちょっと専門的な話になるがにがりを主成分にした溶液の希釈液をある時期に散布すると緑が増し葉っぱが元気になる。

クロロフィル(葉緑素)が増え光合成を促進するようだ。

これはにがりの主成分である塩化マグネシュムの効果と考えられる。

マグネシュムは植物の葉緑素を増やすことがわかっている。

特にマメ科の植物はマグネシュムが必要であるという文献をみたことが

にがり農法の研究のきっかけ。

にがりを散布した農場は緑が残り他の畑に比べ落葉が1週間程度遅れる。

散布地域と非散布地域は11月頃になるとよくわかる。

この研究結果は共同研究している三重大学の梅崎先生が学会で発表されている。

にがり農法は劇的に収量があがるとかでっかい作物が育つなどといった広告などによくあるような魔法のような農法ではないが、高たんぱくで品質の安定した大豆を作ることができる。

にがり農法の大豆は加工特性がよく豆腐用などには非常に歩留まりがよい。

光合成が促進されるためだと考えられるがもう一つ注目しているのは根粒菌。

根粒菌とは大豆の根のところにつくコブようなもので大豆などのマメ科の植物にとっては重要なパートナーである。

根粒菌は大豆などの根から光合成産物をもらい、大豆は根粒菌が空気などから取り込んだ窒素化合物をもらい見事に共生している。

まだ実証はされていないが農法では光合成が促進され根粒菌に光合成産物を豊富に供給することによって共生関係は更にプラスに働く可能性があるのではないかと考えられている。

  

にがり農法は他の作物でも効果があることがわかってきた。

葉っぱが白くなるようなマグネシュム欠乏の症状がでた植物は特に有効だ。

にがり農法の商標登録も今年認定された。

にがり農法のにがり溶液はは深層水のにがりをベースに天然物だけ使い自社生産したもの。

自家消費だけを考えていたが最近は大豆以外の農業関係などの方々からも問い合わせをいただくようになり

にがり溶液のみもお譲りするケースもでてきた。

徐々に他の作物で実験が進んでいる。

いろいろな作物などの実証実験を行いエビデンスなどを整えていく予定

今後さらにネットワークを広げていき、安心安全なブランドアイデンティティを構築できればと考えている。

儲かる農業、儲かる農商工連携、加工業者や消費者もWin-Winになれるような取組めざし奮闘中。


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