日永うちわ海外デビュー
三重県の四日市に「日永うちわ」という伝統品がある。
縁あって昨年少し海外の展開のお手伝いさせていただいていた。
日永うちわは四日市の日永地区で作られるうちわで、300年以上の歴史を持つ。
日永は江戸時代京都に向かう東海道とお伊勢参りに向かう伊勢路の分岐点の宿場町として賑わっていた。
当時街道には10数軒の製造業者がり、お伊勢参りに行く途中に気に入った柄を注文し、帰りに再び立ち寄り持ち帰ったらしい。
明治になって鉄道の開通で交通の流れが変わり、製造者もなくなり現在では稲藤さん1軒になってしまった。
扇風機、クーラーの普及でうちわの需要もなくなる中、ギフト用装飾うちわとして伝統を守り続けている。
稲藤さんとは昔からカレンダーなどを作っていただいており中小企業家同友会などの活動を含め長いお付き合いだ。
伝統的な竹を使ったうちわは概ね次の三種類があるらしい。
大きな竹を平らに削って作った「平柄(ひらえ)」のものと細い竹を放射状に並べて後から柄を取り付けた「挿柄(さしえ)」と細い丸い竹をそのまま60本程度に分割した一本ものの「丸柄(まるえ)」だ。
平柄は丸亀あたり、挿絵は京都、丸柄は日永うちわの特徴らしい。
今年、三重県が主催する「お見事企業グランプリ」に稲藤さんの日永うちわと当社の萬来鍋が選ばれた。
この時「香るうちわ」「消臭うちわ」「虫除けうちわ」という新商品を説明してもらった。
この新商品は柄の中にいろいろなアロマオイルを入れるボールを仕込んであり、扇ぐと香りがするアイデア商品だ。
丸柄のうちわでないとアロマボールを仕込むことができず、特徴を最大限に活かしている。
稲藤さんでは伝統産品に新たな知恵や工夫を凝らして新たな販路開拓に挑戦している。
稲藤さんから海外の販路開拓について相談を受けて ベルギーのビノワの割橋さんのお力添えでヨーロッパでも紹介していただいた。
これをきっかけに今後もいろいろ海外に視野を広げていきたいとのこと
頑張れ日永うちわ