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前回に続きにがり農法の話
にがり農法の秘密兵器ニガリ散布マシーンを斉藤農場さんが導入したとき いち早く試乗させてもらった。
生育した大豆畑の中を倒さないように進んでいくのは素人の私にはなかなか難しい
ちょっと油断すると大豆を踏み倒してしまう
ちょっと専門的な話になるがにがりを主成分にした溶液の希釈液をある時期に散布すると緑が増し葉っぱが元気になる。
クロロフィル(葉緑素)が増え光合成を促進するようだ。
これはにがりの主成分である塩化マグネシュムの効果と考えられる。
マグネシュムは植物の葉緑素を増やすことがわかっている。
特にマメ科の植物はマグネシュムが必要であるという文献をみたことが
にがり農法の研究のきっかけ。
にがりを散布した農場は緑が残り他の畑に比べ落葉が1週間程度遅れる。
散布地域と非散布地域は11月頃になるとよくわかる。
この研究結果は共同研究している三重大学の梅崎先生が学会で発表されている。
にがり農法は劇的に収量があがるとかでっかい作物が育つなどといった広告などによくあるような魔法のような農法ではないが、高たんぱくで品質の安定した大豆を作ることができる。
にがり農法の大豆は加工特性がよく豆腐用などには非常に歩留まりがよい。
光合成が促進されるためだと考えられるがもう一つ注目しているのは根粒菌。
根粒菌とは大豆の根のところにつくコブようなもので大豆などのマメ科の植物にとっては重要なパートナーである。
根粒菌は大豆などの根から光合成産物をもらい、大豆は根粒菌が空気などから取り込んだ窒素化合物をもらい見事に共生している。
まだ実証はされていないが農法では光合成が促進され根粒菌に光合成産物を豊富に供給することによって共生関係は更にプラスに働く可能性があるのではないかと考えられている。
にがり農法は他の作物でも効果があることがわかってきた。
葉っぱが白くなるようなマグネシュム欠乏の症状がでた植物は特に有効だ。
にがり農法の商標登録も今年認定された。
にがり農法のにがり溶液はは深層水のにがりをベースに天然物だけ使い自社生産したもの。
自家消費だけを考えていたが最近は大豆以外の農業関係などの方々からも問い合わせをいただくようになり
にがり溶液のみもお譲りするケースもでてきた。
徐々に他の作物で実験が進んでいる。
いろいろな作物などの実証実験を行いエビデンスなどを整えていく予定
今後さらにネットワークを広げていき、安心安全なブランドアイデンティティを構築できればと考えている。
儲かる農業、儲かる農商工連携、加工業者や消費者もWin-Winになれるような取組めざし奮闘中。
12月は大豆収穫の時期 今年は台風の影響で三重県は大きなダメージを受けた。
我々の契約栽培している農場でも風や雨の被害がでた。
年に一度の収穫なので農業はかなりギャンブルのようなリスクも大きい
先日業界紙の取材があり収穫風景を撮影にいった。
JAさんの話では今年は全体的に収穫が少なく、品質も残念ながらよくないらしい
荷受けの大豆(選別前の農家からが収穫した大豆)で一反あたり3俵を切っており
選別すると半分位になってしまうようなところが多いという
幸い当日撮影したにがり農法の大豆粒もそろっており 他から荷受けした大豆と比べると明らかに違っていたので取材した記者もとても驚いていた。
私も正直びっくりした。にがり農法の効果かどうかは今後研究の必要がある。
取材が終わってお世話になっている斉藤農場さんのキャベツ畑へ
このキャベツもにがり農法 とても青々しく元気なキャベツだ。
とても甘くてめちゃくちゃおいしい。これを食べるとスーパーのキャベツは食べられなくなる位旨い
斉藤さんがにがり農法もキャベツに応用研究して数年前から作っている
にがり農法の米も徐々に増えてきている
にがり農法の部会もできており意識も高い
TPPに負けない農業を研究している皆さんに敬服
KOREA FOOD EXPO に出展するため先日韓国に出張した。
この展示会は昨年に続き今年で2年目の出展となる。
震災や為替など昨年と今年は状況が大きく変わった。
残念ながら食品の輸出については厳しい状況になっている。
ただ現地で情報収集すると新たなビジネスチャンスがいくつかあることにも気づかされる。
折しも日本では先週TPPの話題が盛り上がっていた。
隣国韓国ではFTAを米国や欧州で一足早く進めており、この面では大きな後れをとっている。
FTAについて実際韓国の国民がどのように考えているか以前よりとても興味があった。
昨年も、今年の展示会でもいろいろな人に尋ねてみた。
農業関係者や食品加工業者、工業関係などいろいろな職種の人たちに聞いてみると
それぞれの立場によって意見は違うは若干異なるが輸出の依存度が高い国だけあって
FTAの流れに対して総じてポジティブあるいは仕方がないといった意見が多いように思う。
今回知人のはからいもあって田舎のリンゴ農家で収穫のお手伝い農家の自宅で食事をさせていただく機会があった。
実直な農家の方々でとても品質の高いリンゴを作っていた。
お酒も進み農家の方とFTAについて突っ込んだ話ををすることができた。
やはり大きな不安を抱え悩んでいた。
日本の農商工連携や農産品の輸出、六次産業化について私の話に熱心に耳を傾けていた。
FTAについての流れは止まらないことは理解しつつも漠然とした不安に対してどう対処すべきか答えを懸命に探しているようであった。
2008年のリーマンショックのよる大幅は為替の変動の中私はドイツにいた
160円台だったユーロはわずかな間で40円近くも下がった。
中部国際空港の両替所でドイツ人が悲鳴をあげていたのを今でも覚えている。
リーマンショック前欧州の家電売り場では日本メーカーの家電がかなり大きなスペースで売られていた。
1年後売り場の状況は大きく変わりサムスンやLGが売り場を席巻していた。
この光景を目にした時 日本人の自分としては大きなショックであった。
これは欧州だけでなく他の国でも同様である。
TVなどの家電はすでにコモディティ化した商品は日本企業では対抗できないとの意見もあるが
わずかな間で日本製品の競争力を奪ったのは紛れもなく為替の問題だ。
この歴史的な円高は日本の企業にさまざまな影響を与えてる。
ウォン安政策をとる韓国は輸出企業が好調であるにもかかわらず国内では輸入品が高騰し
インフレ気味で庶民の生活にかなりの打撃を与えているようだ。
90年代の韓国のをIMF危機は円安で伸びかけた韓国の貿易が大きな打撃を受けたことが原因と言われている。
為替の変動は産業構造を大きく変えてしまうパワーをもつ。
好調に見える韓国経済のエネルギッシュな面と脆弱性と両面をみたような気がする。
円の場合は単独ではなかなか為替介入をしても効果は限定的といわれている。
TPPなどの関税の自由化によってモノ作りの海外移転を防ぐ効果は未知数であるが
少しでも若者の雇用創出につながってくれればよいのだが・・・
農産物の放射線の汚染リスクが危惧されている昨今
残念ながら日本の農産物について安全神話にさらに疑問符がつくようなデータがある。
それが下記の主要国の農薬使用量推移のデータだ。
欧米の主要国から比べると面積当たりの使用量が圧倒的に多い。
90年代は1ヘクタールあたり20kg前後で2000年代に16kg程度まで低下してきているが
米国が2kg以下ドイツが2~3kg程度と比べると7~10倍の使用量となる。
単位面積あたりの使用量の比較でOECDのデータベースより作成され一定の信頼性がありそうだ。
但しこのデータをみて単純に日本が欧米の何倍もの農薬リスクに侵されている判断するのは
早計である。
理由は比較的農薬が少なくて済む穀類を多く生産する国は少なくなるからだ。
作物別に比較する視点がないと合理的ではない。
しかしながら環境負荷などの面からするとやはり問題であると考えられる。
ちなみに大豆を米国と比較すると日本は単位当たり2倍の農薬使用量になる。
これは遺伝子組み換え大豆の栽培が米国では多いからだと想定される。
時々「農薬の少ない遺伝子組み換え作物と農薬を沢山使う非遺伝子組み換え作物とどちらが安全だと思うか?」といった質問をされることがある。
「専門的な知見がないので答えがわからない」と正直に返事するようにしている。
日本の医師など専門家の中に国内の農薬による健康被害について危惧する声もある。
原発問題とも合わせて 国産の安全神話は揺らいでいる。
最近海外の展示会や商談などでひしひしと感じている。
自給率の向上や国産の販売促進といった立場にたてば、こういった話はタブーに触れるような情報になる。
しかしながら消費者の立場に立てば事実を正確に知る必要がある。
我々も国産の農水産品の需要拡大のために契約栽培や商品開発などいろいろな産地と手を組んで積極的に取り組んでいる。
長い時間をかけて農業生産者の方々と一緒に無農薬や減農薬、栽培ルールや履歴の作成などにも取り組んできている。
応援したい立場であるからこそあえて厳しいことを言わせていただくと
国産の農産品や加工品も真に消費者から支持されるような製品つくりや取り組みを行う必要があると思う。
すごくまじめに取り組んでいるところもあれ全く違うところもありかなり格差がある。
残念ながらこれも真実で国産=安全とひとくくりに考えるのはかなり怪しい
農業生産も栽培履歴等を開示して安心安全を担保する努力も必要だ
国産農産品の信頼を復活させるためにもこういった現状を把握し
説明できる体制をつくる必要がある。
規制や補助金で一律保護するのではなく、頑張って努力して取り組んでいるところが報われるような
仕組みづくりが重要ではないかと思う
2~3年前から東京など都市部を中心に一品2百数十円程度の格安居酒屋がたくさんできた。
料金は均一価格で気が付くほとんどがこのスタイルの格安居酒屋ばかりになったビルもある。
仕事柄とりあえずトレンドを知っておくためにも流行りだした頃いくつかのお店にいってみた。
均一価格を早くから仕掛けた大手居酒屋チェーンでは低価格化を可能にするために
オーダーもタッチパネルで行い、料理も調理済みの料理を温めるだけのメニューで
徹底的な合理化がはかられている。
気軽に行けるリーズナブル居酒屋という点では一定の評価はできるが
個人的には全く楽しさを感じることはできなかった
タッチパネネルで注文するのは合理的かもわからないが味気なく
無理やり均一価格に合わせたような料理は寂しさすら感じた。
格安均一居酒屋ができると若いお客さんを中心にそのお店に流れてしまいやむなく追従した店も多い。
急拡大した格安の均一居酒屋の流れも落ち着き 安易に追従した個人店は窮地に追い込まれ廃業する店が増えている。
残念ながら低価格を可能にする戦略もない赤字覚悟の低価格競争は結局自らの首を絞めることになった。
均一の低価格居酒屋を拡大させた某大手チェーンでは現在牛丼屋を都内に次々と開店させている。
居酒屋から牛丼屋に見事に業態変化を起こし、非常に好調に見えるこの会社の財務内容をみると、以外にも今期は経常減益に陥り苦戦している。
デフレ対応型の優等生も 低価格で若者の集客を狙うビジネスモデルだけでは限界があるということか
安易な低価格戦略はトップランナーですら収益確保に苦戦している。
安易な後追いではなく差別化戦略がますます重要性を増している。
大手ができない戦略メニュー、楽しさを与えるお店つくりが重要である。
10年程前 当社の機械を入れているお客さんから油揚げの調子が悪いから指導してほしいと頼まれたことがある。
機械屋はこのようなことを頼まれることが時々あって現場でいろいろ調整を行った。
考えてみると機械屋が毎日作っている人に製造指導するなんておこがましい話であるが
この時はかなりてこずった。
国産大豆を使っていたが、産地の違うものに変えてみたら一発で良くなった。
「同じ品種でも産地が違うとこんなに違うんやね、確かにコシヒカリでも産地や生産者によって味が全然違うもんな」
と言ったお客さんの言葉が頭からなかなか離れなかった。
「機械や凝固剤等で調整できることには限界がある」
良い商品つくるにはやっぱり原料であることをこの時身にしみて感じた
これが機械屋の私が農業に首を突っ込んだきっかけだ。
まさに畑違いの分野。
同じような話はあちこちであったが「加工」の視点から大豆栽培の研究されていないことがわかった。
以前にも少し説明したが三重大学の生物資源学部の梅崎教授の協力を得て「にがり農法」という栽培方法確立した。
この栽培方法で作った大豆はタンパク質の含有量も高めで安定することがわかった。
特に豆腐製造については適した栽培方法である。
斉藤農場さんをはじめこの新しい農法に興味をもってくれる農家も増えて昨年約130ha(39万坪)で契約栽培をした。
この取組のおかげで機械屋の私が多くの農業生産者と繋がるきっかけになりネットワークが広がった。
現在 大豆生産者の方々と定期的に集まり栽培ルールを決めたり、時には豆腐屋さんや納豆屋さんなど加工業者も入ってもらい
使用者側の意見も聞く機会を設けている。
このにがり農法で栽培した大豆を原料は主に当社で大豆パウダーに加工している。
おからの出ない原料となる大豆パウダーだ。
通常生の大豆は微粉砕することができない。
脂質が多く粉砕機の中で詰まってしまうからだ。
当社ではその大豆を20μm(マイクロメートル)程度に微粉砕する工夫をしている。
花粉症の原因となるスギ花粉(30μm程度)より更に細かいレベルまで熱をかけないで粉砕する。
国産大豆はタンパク含有も豊富でおいしい豆腐を作るのに適している。
しかし残念ながら国際的な価格競争力はかなり低い
大豆は豆腐以外にも味噌、醤油、納豆など日本の伝統食品には欠かせない原料である
大豆まるごと豆腐の原料以外にもパウダー化することでいろいろな分野に広がるのではないかと考え、
用途開発の研究をしている。
焙煎して微細化きな粉をつくってアイスクリーム原料にしたりお菓子やパン、麺、練り製品など徐々にではあるが
用途の目処がたってきた。
栽培技術の開発、トレーサビリティの徹底、大豆の微粒化技術や用途開発、新商品開発まで一気通貫で進めて
新たな価値を生み出し競争力を持つことが我々の農商工連携の目的
弱者連合では勝者にはなれない
勝てる農商工連携を目指したい
学生時代(80年代)ゼミで日本型企業モデルの優位性について学んだ。(あまり勉強してなかったが)
年功序列や終身雇用といった特徴が欧米企業よりも優れた日本の企業の経営強みであるということだった。
日本のモノつくりといえばトヨタ生産方式に代表される徹底的の無駄を排除した効率的な生産方式が有名だ。
多品種対応力や多機能を付加した商品は世界を席巻していた。
80年代はこんな時代だった。
トヨタ生産方式は海外でも研究が進みリーン生産方式として世界中に広がっていった。
韓国などアジアの工場ををいくつも視察したがリーン生産方式を積極的に取り込み
日本のアドバンテージは明らかに少なくなっていると感じた。
バブル崩壊後失われた10年とも20年ともいわれるが80年代あれほど優れているといっていた
年功序列や終身雇用も日本的経営の弱みであるかのようにいわれるようなった。
無駄をなくした効率化の追求だけでは海外では勝負ができなくなっている
高い人件費や法人税、主要国との経済連携も進まず高い関税そして超円高が国際競争力を低下させている
為替の問題が解決できればかなり好転すると思うが
価格競争とは違った差別化戦略が重要になってきている。
先日 ブログで伊勢の河崎の町家とうふさんのことを書いた。
今週お会いした方が見てくれていてブログの話題がでた。
我々日本人は手の中にある宝物に気づかず壊したり失ったりしていることが多いのではないかということに共感してくれた。
6年前三重県の南勢地区の活性化のために中小企業の仲間が集まって「しお学舎」という製塩の会社を作った。
廃校になった学校の敷地を借りることになった。
折角だからこの古い校舎を残して工房を作ろうという意見でまとまった。
計画をすすめると現在の建築基準を満たすために耐震工事に予想以上にお金がかかることがわかった。
モクモク手作りファームの木村さん吉田さんをはじめ出資者のみんなが古い校舎を残そうと言った。
食品工場のエンジニアリングをしている私の立場からすると建替えた方が使い勝手もよく効率的と答えるところであるが
みんなの考えにとても共感ができた。
建物について地域住民から当初特に要望や制限もなかった。
おそらく多くの住民の人たちは新しい建物をたて製塩工場ができると思ってい人が多いと思う。
古い校舎を残すことで設備の搬入や工事などかなりてこずった。
今この工房では職員室は事務所に使っている。
教室は製塩や味噌その他の商品加工の工房に使っている。塩作りを教える教室もある。
スリッパを履いて校舎にはいると昭和の懐かしい学校の雰囲気がそのまま残っている。
当初この事業をスタートする時、地元住民の方の中には事業に反対する意見も少なからずあった。
後に思い出詰まった校舎を残したことで感謝の言葉を地元の方々からもいただくこともあった。
年月を経て否定的な意見をもっていた方たちからも少しづつ支持されるようになってきたのではないかと思う。
欧州などの古い町並み見ると我々外国人からはにとってもとても魅力的に写る。
パリやニューヨークなど都会でも古い建物を活かし内装をモダンに改造し便利で快適に暮らす技術が発達している。
このような技術がもっと日本でも発展してくれることを願う。
台風や地震の多い日本では「しお学舎」で体験したようにハードルは高いと思う。
効率やコストではもともと新たに製塩工場を設立しても採算が合わなかった。
新技術を導入や差別化した商品を作りを進めることももちろんであるが まわりからも共感していただけるようになってきたことで
プレミアムな付加価値を認めていただけるようになってきた。
しお学舎の役員をやらせていただいているが 多くのことを学んだ。
内需が減っていく中 地域経済を活性化するには外からお客をさんを呼ばなくてはならない
それには魅力的な観光資源が必要である。
80年代までの急速な近代化工業化の発展モデルは完全に方向転換を迫られている。
高齢化が進み工場も閉鎖され新たな宅地の需要も減ってきている。
こんな時期だからこそ足元を見つめなおし古いものを活かす知恵が必要な時代ではないだろうか
明珠在掌 地方にも見つめなおすと魅力的な観光資源が沢山眠っているかもわからない
三重県の伊勢市に「河崎」という地区がある。町家や土蔵など歴史的な古い建物が並ぶ室町、江戸時代に栄えた伊勢商人の街だ。
江戸時代、伊勢は山田と呼ばれ大変栄えた都市であった。全国から物資が河崎に運ばれた。
明治以降衰退していくがこの町並みを残そうと頑張っている人たちがいる。
現在、古い町家や土蔵を残し内装だけ改装したバーやカフェ、レストラン、美容室ができてきている。
町家いかした「町家とうふ」の立ち上げからお手伝いさせていただいた。
町家豆腐さんでは古い町家を利用し豆腐をつくる工房とレストランをつくった。ここではおからの出ない大豆まるごとのお豆腐が食べられる。
原料は三重県産のにがり農法で育てた大豆を微細化したパウダーを使い豆腐、豆乳だけでなくスイーツなどいろいろな商品を作っている
消泡材も一切使用しないこだわりで評判が広がり量販店などでも販売依頼が入るようになり、「ぎゅうとら」という地元のスーパーでも販売されている。
戦後 日本は高度成長の進み古い町並みや壊されどんどん新しい建物が建設されていった。山や川も人工的な風景にかわっていった
以前新聞で外国人の東洋文化研究者のコラムを読んだ。
日本は自然や古い町並みは欧米人をひきつける強い力があるのに日本人がどんどん手を加えて魅力のないものにしてしまっているという。
原因としては日本人の文化に対する誇りの欠如と古いものを残してモダンにする技術がなかったことではないかと述べていた。
確かに欧米では古い建物はそのままにしておいて内部を改築して便利で快適に暮らす技術がある
今あるものを再生し活用するという発想はこれまであまり生まれてこなかった。
地震など災害の多い国なので新しく建替え防災耐震対策も行うことも必要である。
治水ために河川工事も必要な場合もあるだろう。
しかしながら身近に良い観光資源があるのに見過ごし不用意に破壊してきたことも事実である。
明珠在掌(みょうじゅたなごころにあり) 禅の言葉で明珠(良い宝)は実は身近な手の中に持っているという意味であるが、
今一度手の中の明珠を見つめなおしてみたい
町家とうふ
住所、地図
韓国の通貨危機後の政財官の動きのスピーディさは以前のブログで述べた。
IMFの問題で国民が危機感を共有したことが変革の大きな影響を与えていると思う
格差問題や輸出依存体質など問題も多いが国際的には一定の評価をされている。
危機感について興味深い記事を新聞で見つけた
それは地域再生を手がけている人の言葉らしいが、商店街の復活が成功するポイントは、その商店街が立ち直れないほど衰退しているかどうかということだそうだ。
少しでも余力が残っていると商店主、地主のエゴがでてしまい、なかなかまとまらないらしい。
生き残れないという危機感を皆が共有している商店街では大胆な手術が可能で活性化に成功することも多いという。
人も組織も国も危機感が高まらないと変わろうとしないということなのかもわからない
10数年前、大型の商談を苦労して成立させ準備資金の借入れを銀行に申込みいったが全く相手にもしてもらえず断られたことがある。
断られるだけでなく廃業の話まで出てとても辛い思いをした。
これがきっかけになり自社を見つめなおしてみると非常に厳しい状況であることをあらためて認識した。
危機感を改めて強くもつようになり会社の業務内容を大きく変えていく転機になった。
日本の企業にとっては5重苦とも6重苦ともいわれる厳しい経済環境の中
少し前日立と三菱重工の統合の話し合いを進めていることが報道された。
日本の企業の再編が今後ますます進んでいくものと思われる。
健全な危機感は組織として常に共有化していないと勝ち残れない時代になってきた。
諸行無常である。