長野県の「アグリコ」の福原さんから沢山シメジを送っていただいた。
シメジは大好きなので何を作ろうかあれこれ迷っている。
ガーリックソテーは外せない、使えない分は冷凍保存して官能テストをしている。
「アグリコ」は長野県駒ヶ根市にある農事組合法人だ。
三重県のしいたけ栽培の農事組合法人「鈴鹿山麓夢工房」の川森さんの紹介で3年ほど前 私が香港出張中にお会いしたのがきっかけだ。
「アグリコ」の福原社長はとにかく型破りでおもしろい。
初めて香港でお会いし日本食レストランで酒を飲んで意気投合した。
福原社長はもともと三菱商事に勤めており脱サラで農事組合法人を立ち上げた。
商事出身だけ合ってスケールも大きい。
敷地面積4500坪にコンピュータ管理された「シメジ工場」では
毎日数万パックのシメジが出荷されている。
きのこの廃培地も無駄にしない.
堆肥にして無農薬でたまねぎも90ヘクタールくらい作っている。
現在、シメジやたまねぎを使った商品開発のご相談もいただいている。
福原さんは海外経験も長くネタは尽きない。常識にとらわれない柔軟な発想はとても勉強になる。
シメジのほぐし売りというのも福原さんが日本で最初に始めた。
ほぐし売りとはシメジの束ねている石突き部分を切り取ってバラバラにし、包装して販売する方法だ。
従来シメジを加工・包装する際にブロックから外れたバラのものは原価以下でしか売れなかった。
このことに福原さんが疑問を抱き開発したらしい。
消費者は料理をするときにはほぐして使う。
最初からほぐして包装して商品化すれば使いやすいし規格外でもない。
石突きもなくほぐす手間もかからず価格は通常品と変わらないので使う側もありがたい。
売り手も買い手も良くて無駄もない。
まさに逆転の発想がヒット商品を生んだ。
いろいろな業界でもこの発想は参考になりそうだ。
ちなみにシメジは冷凍するとおいしくなるらしい。冷凍したまま使うのがポイント
ためしてガッテンでもうまみが増す方法として紹介されていた。
自分でも試したら確かに食感もよく、うまかった。
先日台湾出張中 台湾の加賀屋さんにお伺いした。
JETROの「世界は今」という番組の密着もありカメラと同行で
購買担当責任者や副料理長さんの前で萬来鍋で豆腐作りの実演をした。
お客様の前でひとりひとりために豆腐を作るという萬来鍋のサービスは加賀屋さんのコンセプトに合うと言っていただいた。
台湾の加賀屋さんは新北投という温泉街にある。
新北投は温泉街で箱根のような感じのところである。
この温泉街でもひときわ立派な建物が加賀屋さんである。
加賀屋さんといえば言わずと知れた日本一の接客やおもてなしで有名旅館。
館内をいろいろご案内いただいたが、台湾の加賀屋さんも日本流のサービスが見事徹底されていた。
日本で接客やおもてなしの精神を一から学んでいるという。
仕事柄 海外のレストランなどに行く機会も多い
海外にしばらく行って帰ると日本の飲食店の接客のレベルの高さを感じる。
日本にいると気づかないことも多いが・・・
外国のお客さんをつれていくと「どうして日本はチップもないのにサービスがどこもよいのか」といった
内容の質問をうけることがよくある
日本では当たり前のことが外国人にとって驚きであるようだ。
日本の接客は確かに国際競争力があると思う。
但しこれを輸出するとなると簡単ではない
日本の有名なレストランがビバリーヒルズがら数年前に撤退した。
全国にお店があり日本的な店の造りや接客が外国人にも評判がよく、国内でもよく外国人の接待に利用させていただく。
お店の関係者の方に知人がおり、たまたま撤退の事情を聞く機会があった。
彼に話によるとお店の内装から什器までこだわり、多額の資金を投入し日本を再現したという。
接客指導も時間やお金をかけて忠実に日本のお店を再現しようとしたが
ついにできなかったらしい これが最大の撤退の理由だと言っていた。
資金力もあり立派に経営されている企業でも海外に日本的サービスを輸出することは容易ではない
あらためて加賀屋さんのご努力と姿勢に敬意を表したい。
昨晩以前ブログにも書いた錦見鋳造の錦見さんと食事をして国内海外の販売について話をした。
非常にいい流れがきており、一気にグローバル化加速する可能性がでてきた。
詳しくは書けないがこれまで海外に発信してきたことがいい流れを作ってきていると思う。
錦見さんところの魔法のフライパンの米国デビューのお手伝いのために今年の2月末渡米した。
NYのジャビッツセンターで行われたIRFSに出展するためだ。
この展示会は米国全土からレストラン関係者など多くの食に関するプロが集まる展示会である。
私は2005年にはじめて単独で出展した。
その後ジェトロが主体となって動きジャパンブースを作った。
注目されている日本食をオールジャパンでPRしようということになり多くの日本企業が出展することになった。
この第一回にも出展させていただいており馴染みのある展示会だ。
魔法のフライパンのデビューのお手伝いさせていただき大変勉強になった。
自社の海外の展示会は慣れているが、他社の製品のPRいろいろな比較ができて新鮮だった。
実演ではオリーブオイルにガーリックのみじん切りを入れて香りが出るまで加熱し、TOFUステーキや肉を焼いた。
香りにつられ人が寄ってきた。
商品の最大の特徴1.5mmの鋳物の極薄のフライパンの「軽さ」は商品を手渡せば伝わった。
「本当にcast ironか?」米国人は目をまるくして驚いていた。
米国ではダッチオーブンで有名なロッジ社のスキレットなども人気があり、鋳物のフライパンの良さは理解している。
うちの萬来鍋のように豆腐を作る説明はいらない。フライパンは世界中どこでも使っているから
あとは中国製等の安価なフライパンとの価格差をどううまく説明するか
鋳鉄製のフライパンは耐久性に優れている。魔法のフライパンも10年以上は十分もつという
仮に対応年数を8年とすると
100$差があったとしても8年で割ると12.5$/年だ。
月割約1$、プロが年間200日使用するとした場合6セント/日だ。
6セントで重労働の重いフライパンを振る作業が軽減される。
腱鞘炎のリスクも低減できる。
驚きのコストパフォーマンスだ。定量情報は米国でも説得力があった。
先週22日から25日、台湾で開催された「フード台北」に出展のため出張した。
今回JETROの「世界は今」の番組取材もあり準備段階から完全密着だった。
台湾は香港、米国と並ぶ日本の農水産品の3大輸出先である。
距離的に近いこともあるが人口2300万の台湾が3億超の米国に匹敵する農水産品を買ってくれている訳だから 日本にとっては大変ありがたいお客さんでもある。
親日的な隣国の販路開拓めざし今回出展をした。
震災後の初の海外展示会、原発事故の影響はどうか?台湾の反応は?
期待と不安が入り混じった複雑な気持ちで展示会に臨んだ。
台湾は豆腐をたくさん食べる。また豆腐花といった甘いスイーツや豆乳もよく飲まれており大豆食品をよく食する国である。
台湾はこれまで機械関係仕事や観光などで何度か訪れたことがあるが展示会は初参加。
以前より食品分野で挑戦したい市場であった。
現地の豆腐や大豆食品といかに差別化できるかがポイントになると考え展示会に臨んだ。
萬来鍋とロングライフ豆乳を使い、抹茶や生姜、枝豆豆腐など変わり豆腐の試食も出してオリジナルな豆腐が提供できる特徴をPRした。
また、萬来鍋で豆腐作りの実演をしたりDVDで映像を流し、原料として現地の豆腐と勝負するのではなく、豆腐をつくる「楽しみ」や「パフーマンス性」をPRした。
価格だけでは現地生産の豆腐にはかなわない。
豆腐を自分で作れる付加価値を評価してもらうことが生命線になる。
おかげさまでたくさんの来場者が来てくれて予想以上にブースは賑わい、試食用の豆乳や皿などが足らなくなってしまった。
好奇心旺盛な台湾の国民性を実感した。
レストランやデパート、通販業者など多くの企業と商談ができた。
心配していた日本食材に対する不安も説明すれば理解してくれた。
今回の展示会での手ごたえは感じたが台湾での物流体制もできておらずまだまだ1合目。
単に「モノ」を売るのではなく「コト」を売らなければ我々の商品の強みは活かせない。
展示会に参加しただけでは意味がない。ビジネスはこれからが本番だ。
私の友人で「魔法のフライパン」というスグレモノのフライパンを作っている錦見鋳造の錦見さんという人がいる。
1.5mmという脅威の薄さの鋳鉄製フライパンだ。熱伝導もよく女性でも扱いやすいフライパンだ。鋳鉄というと重いイメージがあるがその常識を覆した。
錦見さんとは古い付き合いで出会いは十数年前(20年くらいか)のとある自己啓発セミナーに遡る。
当時錦見さんは鋳物部品の下請け会社、私は豆腐の機械屋。どちらも会社の先行きが厳しく、
お先真っ黒な状態。お互い悩みをさらけ出しあって語った。
それからしばらく疎遠になった。
年月が過ぎて錦見さんは「魔法のフライパン」私は「豆腐ができる萬来鍋」を開発し売りだしていた。
メディアなどで両社が取り上げられるようになりお互い情報は知っていた。
私も錦見さんの活躍を見て「負けないよう頑張ろう」と心の底からガッツが湧いてきた。すごくプラスの刺激をもらっていた。
最初の出会いから10年くらい経って久しぶりに酒を酌み交わした。
まさか「フライパン屋」「鍋屋」なって再会するとは思っていなかった。
お互い従来の事業だけやっていたら再会は無かったかもわからない。
少なくとも私はその場にいなかっただろう。
必要に迫られると「変わる」知恵がでてくる。
ダーウィンの進化論でも生き残るのは変化に対応できたものだけだという。
後は生存確率を上げるためにいかに強みをいかして変化できるかが鍵になる。
諸行無常である。
先週月曜日に三重県が企画している欧州の企業や商工会の産業視察のお手伝いを少しさせていただいた。
昨年も同様の視察ツアーを行ったが今回は震災の影響もあり直前でキャンセルが相次ぎ大幅に人員が減少した。
6/7日から10日まで東京ビックサイトで開催された2011国際食品工業展(FOOMA)に参加した。
毎年出展しているが、今年のFOOMAはいつもとなにか違っていた。
節電の関係で1時間繰り上げて開催時間が短縮されるなど震災の影響もあったが
それ以上に影響を受けたのは海外の来場者の数だ。例年韓国や中国などアジアの国々から
日本の先端の食品技術の情報を収集しようと多くの人たちが訪れる。
それが今年は明らかに少なかったのだ。
当社だけかとも思い知り合いの企業にもいろいろ聞いてみると どこも海外の来場者は少なかったようだ。
そんな中、交通費などの支援もあったようで宮城県のお得意さんも会場に来てくれた。
大変な中、東日本の方々予想以上に来場されていたことは嬉しい誤算であった。
今回のFOOMAの海外来場者数の減少は予想されたいたこととはいえ原発問題の深刻さを改めて浮き彫りにした。
ドイツやフランスの大規模な展示会にいくつか参加した経験があるが、欧州では見本市そのものが大きな産業となっている。
開催地には国外からも多くの人が訪れホテルやレストランもいっぱいになる。
商品の販売促進なども含め国際的な展示会の経済波及効果は大きい
近年、アジアの食品関連の見本市も大規模化し国際的になってきている
シンガポールなどは人口が500万人程度であるがカジノとあわせてラスベガスのような
戦略で見本市の集客力がある。
国内の内需が冷え込む中、地域の経済そして日本経済を元気にするためには
海外への販売の強化や外国人を沢山呼び込む戦略が必要、
日本の国際展示会の集客力アップは急務だ。
NHK国際放送で当社の取組が海外で放映されることがきまった。
「Japan Biz Cast」という番組で海外のビジネスマンに日本の新商品やビジネストレンドを紹介する番組だ。
内需が減少する中 いかに域外にも販売していくか中小企業も真剣に考える時期にきている。
原発問題など厳しい状況の今 企業連携を強化して国際化更に進める計画を立てている・
海外の方是非ご覧ください。国内の方も下記スケジュールでご覧いただけます。
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/english/tv/japanbiz/
海外での放映日(NHK WORLD)
6月9日(木)
8:30-8:58am, 12:30-12:58, 16:30-16:58,
20:30-20:58, 24:30-24:58, 28:30-28:58(すべて日本時間)
※NHK WORLDは地域によってはケーブルテレビでも視聴可能。
NHK WORLDが観られるケーブル局は下記の通り。
< http://www.nhk.or.jp/nhkworld/japanese/tv/howto/index.html >
※上記の時間(海外での放映時間)にNHK WORLDホームページに
アクセスすると動画もみれる。
< http://www.nhk.or.jp/nhkworld/index.html >(右上の画面)
●国内での放映日(地デジ教育マルチチャンネルDE2/023ch)
6月24(金)
14:00-14:28
震災後の食品の品切れ騒動も徐々に改善されているが東日本では今でも商品によっては品薄な状態が続いている。
中部以西に住む人には実感しにくいが東と西では状況が違う。
あらためて今回の震災による食の問題を考えてみた。
商品の品切れにつながる主な要因としては次の点が考えられる。
① 震災による直接被害で産地、製造工場の出荷停止
② 原料、副原料, 包材などの不足
③ 計画停電によるラインの停止
④ 買い占めなどによる消費者の過剰行動
⑤ 放射線被害による供給不足(風評被害含む)
例えば納豆の場合、東日本には大手メーカー含め製造者が多く、直接被害で生産がストップしたこと、
フィルムなどの資材の不足に加え計画停電で発酵が行えず生産量が大幅に減少するなどひとつの原因ではなく複数の要因が重なっている。
ミネラルウォーターは首都圏の水道水の放射線汚染の懸念が報道され買い占めがおこった。
ペットボトルのキャップメーカーの被災で不足している状況のところに、
水道の放射線問題が重なり需要が大幅に増えて日本国内で当面対応ができなくなった。
海外から規制を緩和し欧州や韓国などからの輸入が激増しているらしい。
首都圏では見慣れないJINROなどの韓国メーカーのミネラルウォーターが売り場に並んでいる。
ミネラルウォーター以外の商品も中部や関西、九州地区からの商品や海外品などの供給が増え
首都圏の量販店の売り場で見られなかった商品もならぶ。
今回のような広範囲での大規模災害に対して国内だけで補完するには無理がある。
自国だけでは相当の生産キャパが必要で通常時供給過多によるデフレが更に進んでしまう。
これまで国民の食糧を確保のために自給率向上が叫ばれてきた。
自給率向上には賛成だが 今後は日本の優れた農家の海外展開なども考えられる。
安定供給にはリスクは内と外の両面で考える必要がありそうだ。
秋田県潟上市の県道56号沿いの道の駅「てんのう」に豆腐製造直売所オープンした。
当社の小型豆腐製造装置を導入していただいた。
当社の川淵が施工から製造指導まで行った。
彼は豆腐の新規開業指導のエキスパートで、これまで手がけた新規開業の豆腐店は
国内海外に百ヶ所を楽に越える。
未経験者に製造指導するのも慣れており、特に女性に教えるのがうまい。
この点では私も全く歯がたたない。
「てんのう」さんは地元の大豆を使って女性グループが豆腐製造している。
ユニークなのは店側が場所と機械を貸して、複数のグループが豆腐を作り販売する
全国でも珍しいスタイルだ。
グループ間で「良い競争意識」が生まれるとおもしろいスタイルになるかもわからない
是非成功してほしい 頑張れ東北
福島の原発事故より、日本の食品の輸出は非常に厳しくなっている。
東北、首都圏を含む東日本12都県産品は欧州、アジアなど輸出が実質できなくなっている国も多い。
東日本以外の地域の食品でも日本政府の証明書などの添付が義務付けられ規制が厳しくなってきている。
食品も工業製品と同じように主原料だけでなく調味料や添加物などの部品を組み立ててできている。
これらの部品もさらに細かな部品が組み立てられている場合も
これらを東日本のものを使っている場合の対応をどうするかといった問題が発生する。
輸入側の国でもようやく規制が徐々に明確化つつあるが、これまで想定外のこと対処ができず
荷物が長時間とまるなど事態が生じている。
政府側も海外が求める証明に対して準備が整っておらず震災以降の製品の輸出が厳しくなってきている。
影響は国内だけで留まらない、例えば中国等海外で生産される日本向け商品も日本の調味料や添加物を使っている場合も多く、東日本の製品の輸出がストップすると生産ができなくなり、影響は世界規模で広がっている。
震災前の調味料や添加物の在庫も底をつき海外でも製品ができない事態もでてきているらしい。
愛知県では県として放射線の検査を行い証明書を発行するサービスを無料ではじめたと聞く。
今回の問題は想定外のことで海外の受け入れ態勢の整っておらず日々状況が変わっていった
ようやく規制も整いはじめ対応しなければいけないことが明確化してきた。
今回の日韓中の首脳会議をきっかけに風評被害が少しでも少なくなることを望む。
震災を言い訳にしていてても進まない、日本のモノ作りを守るためにも
スピードをあげて官民一体で対処する必要がある。